ティム・バートンの世界展

2015.03.03Kawasaki : 

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先日グランフロント大阪で開催されている「ティム・バートンの世界展」へ行ってきました。
ティム・バートンは、最もイマジネーション溢れる映画監督の一人として広く認められており、実写では「シザーハンズ」や「アリス・イン・ワンダーランド」、「チャーリーとチョコレート工場」、アニメーションでは「ナイトメア・ビフォー・クリスマス」や「コープス・ブライド」など数えきれないほどのヒットを生み出しています。
今回は約500点もの展示がされていたのですが、その半分以上が監督自らの手描きのイラストたち。
素材はカフェのナプキンから新聞紙、(他案件の)仕事用の専用紙と、非常に日常的なものがたくさんあり、それは監督がいかに仕事の時間以外の普段の毎日の中で、溢れ出るインスピレーションやアイデアを描き留めてきたかを物語っていました。
ヒットを連発し、奇才・天才と称賛される監督が、デビューからずっと日の当たる場所にいたかと言うとそういう訳ではありません。
ディズニーのアニメーション制作部に入りながらも、当時求められていたドリーミーで普遍的なディズニーのデザイン傾向とそぐわず、何百ものデザイン案が全て不採用になったり、企画が没になったりと、自分のクリエイティビティを抑圧される体験をしてきました。
しかしその中でも監督は、自分のスタイル、表現したいテーマをぶらす事なく貫き続け、今日熱狂的なファンを掴むまでに至りました。
そして不遇の時に描きためていたアイデアが、その後監督の数々の作品に反映されて行くことになるのです。
監督の生み出すキャラクターは、社会不適合ながらも真摯に実直に人と向き合おうとするものが多く見られます。
そしてそれらの多くは、身体中に心の傷と同じだけの縫い目を持ち、そして同時に再び縫い繕える強さを持っています。
監督の分身とも言える、愛すべき哀しきキャラクターたち。
観る者の心を掴んで離さないのは、映画を通して、自分が自分であり続ける大切さや、個性をありのまま受け入れて、苦難を乗り越える勇気を、そっと分けてもらえるからなのではないでしょうか。

ティム・バートンの世界展は4/19(日)まで開催中です。

http://www.tim-burton.jp/

No.19549

工業生産ジュエル

2015.02.06Kawasaki : 

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日本が誇る工業技術とファッションをデザインで融合させた新感覚アクセサリーブランド「INSTANT JEWEL(インスタントジュエル)」の期間限定ストアが東京と大阪で期間限定でオープンします。
INSTANT JEWELは、工業生産=マシンメイドで作ることを前提にデザインされており、豊かな色彩や質感、異素材にまたがる多様なバリエーションなど、その一つひとつがハンドメイドでは味わえない面白みに溢れています。
シリーズによっては色や形・長さなどを手軽にアレンジできるよう設計されており、自分だけのブレスレットやネックレスを作ることができます。
ファストファッションや大量生産はネガティブに捉えられがちですが、多様な色や質感のパーツを存分に楽しめるのは、工業的アプローチならではの魅力です。
開発したのはプロダクトデザイナーの大友学さんと小澤真奈さん。
「機械で作る大量生産と、アクセサリーやジュエリーといったファッションを融合すると面白いのでは」と考え、アクセサリー作りに当たり、工業的発想で自動車メーカーと取引するプラスチック成型工場に着目しました。
例えば、車のハザードランプのボタンには、曲線や丸みに加え、点滅の透け部分を一体化して作る高度な技術が詰まっています。
世界でも有数の高い技術を持った日本の産業ですが、最近では低コストを背景に海外へとシフトし、国内工場の機械生産の均質・精巧技術が失われつつあるのも事実。
日本の工業力を支える現場を知ってもらうため、残っている工場を1軒1軒説得し、7社と組んでアクセサリーパーツ生産に至りました。
これまでアクセサリーを扱ったことがなかった工場に、新たな形での生産体制が生まれたのです。
せっかくの技術があっても、「専門外だから」「やった事がないから」と今までのやり方に固執して、目まぐるしく変わる情勢について行けなくては、いずれ事業として頭を打つ時が来てしまいます。
技術は活かしてこそ宝。
それまで縁がないと思われていたファッション界で、さらに輝く場を得たと言えるでしょう。
期間限定ストアは、東京では渋谷パルコPart1(2月8日まで)と東急ハンズ新宿店(2月15日まで)ですでにオープン、大阪では阪急うめだ本店で2月25日~3月9日にオープンを予定しています。
各期間限定ストアでは、実際にアクセサリーを手に取って、様々なアレンジが楽しめるワークショップも開催されますので、ぜひこの新しいジュエルのカタチを体験してみてはいかがでしょうか。
http://www.instantjewel.jp/

No.19454

楽器新時代KAGURA

2015.01.15Kawasaki : 

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「Intel Perceptual Computing Challenge 2013」で最優秀賞を受賞した日本発のアプリ「KAGURA」が、14日よりついに無償ダウンロード提供(64bit版Windows8.1対応・株式会社しくみデザイン)を始めました。

“体を動かして楽器を鳴らす”というコンセプトから名前にもなったKAGURAは、カメラで捉えたユーザーの画像を認識し、画面に配置されたアイコンに体が触れることでそのアイコンの音を鳴らす楽曲演奏アプリです。

RealSense Technologyカメラ搭載PCの場合は、3D画像解析を利用して、楽器(音アイコン)の位置変更や、BGMのテンポを上げ下げするという操作が行えます。
手をディスプレイに近づけると画面に波紋のエフェクトが表示されるので、手とディスプレイの距離が縮まっていることを直感的に理解できるUI表現が特に優れており、Intel Perceptual Computing Challengeでの最優秀賞もこの点が高い評価を得たとのことです。

楽曲演奏アプリと言うと、ある程度音楽的センスや専門知識が問われるというイメージを持たれる方が多いかもしれませんが、テンポや音程はBGMからKAGURAが自動的に判断して狂わないようにしているため、PCの前で適当に体を動かしているだけでもそれなりに楽しめるものになっています。

演奏はMicrosoftのKinectのように、ユーザーの体の骨格を認識して操作を行なうわけではなく、光の変化によって認識させています。
このため体のあらゆる部分(頭や肩)での演奏、複数人での演奏が可能です。

アプリを開発した株式会社しくみデザイン代表 中村俊介氏ご本人も楽器が苦手で、自分でも使える楽器が作れないものかとの発想から開発へ至ったとのこと。

子供から老人まで誰もが直観的に扱える楽器は、家族やグループみんなで全身を使って楽しめるため、体操やダンスプログラムを作ったり、バンドとして音楽を奏でたり、遊園地のアトラクションに取り入れるなど、幅広い分野で展開が見込めると思います。
今後、音楽の新時代が作られる大きなきっかけとなるのではないでしょうか?

公式サイト

http://www.kagura.cc/jp/

No.19356

リバランス

2014.12.14Kawasaki : 

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日本発のスマートウォッチ「ヴェルト・セレンディピティ(VELDT SERENDIPITY)」が、12月12日に発売開始しました。
ヴェルト・セレンディピティは、スマートフォンと連携し、さまざまな機能をディスプレイに表示したりする、いわゆるスマートウォッチとは一線を画し、時計としての魅力を備え、ライフスタイルをスマートにサポートするツールとして開発されたスマートウオッチです。
スマートウオッチといいつつ、その意匠は時計に近く、ネットからの情報は必要最小限に手元に通知します。
スマートフォン偏重の生活をリバランスすることを目的とした世界で唯一のスマートウォッチとして、こだわりを持つ大人に向けて訴求しており、一日中スマートフォン画面を見ている現代人をターゲットに、「『視線を上げて周りを見渡すことで得られる思いがけない発見や出会い』が、新たな豊かさや革新につながる」というコンセプトを掲げて開発されています。
ディスプレイを全面採用したスマートウォッチが多いなか、「Less is more」の発想からアナログ時計の文字盤と、下に配したLEDによる情報表示デザイン「Vivid Loop」を採用。
重要な情報は見逃さず、周囲への配慮もできる点が特徴です。
活動量や睡眠量を計測する機能なども備え、スケジュールアプリと、同期する機能なども持っており、こだわりを持つ大人向けのツールとなっています。
バッテリーの持ちは1週間の待受が可能とのことで、毎日充電する必要もありません。
また、スマートフォンに触れることなく、ネットを活用できるサービス「 ヴェルト・ウェアラブル・サービス」もスタートしており、日本交通とのパートナーシップで事前に登録した地点へのタクシー配車サービス(東京地区のみ、半年間無料)なども利用できます。
販売店は家電量販店などではなく、伊勢丹新宿店 メンズ館8階 チャーリー・ヴァイス、コール ハーン 銀座本店、大丸東京店 7F メンズギアスクエア ユーロパッション、高島屋 京都店 4階 CSケーススタディ、バーニーズ ニューヨーク銀座店、阪急メンズ東京店 B1 タイム&テーブル ラスクなどでの扱いとなります。

あらゆる情報が瞬時に手に入れられる現在では、ともすればその情報に踊らされ振り回される恐れも同時に持ち合わせています。

情報を自分のライフスタイルに合わせて使いこなすか、情報を取り入れて自分のライフスタイルを変えて行くか。
双方は似ているようで大きな違いがあります。
このヴェルト・セレンディピティは、進化する時代を受け入れつつ、敢えて自分のライフスタイルを第一とする、ある意味頑固に自分を持ち続ける方にターゲットを絞った商品。
四六時中スマートフォンチェックを出来るほど時間を持たず、しかし時代に取り残されたくない、しかもステイタスを感じられる持ち物で身を固めていたい。
一般に爆発的に浸透するのは難しくとも、案外そういったセレブリティに強力な支持者が増えそうな商品になりそうな気がします。

No.19254

ラ・ジャポネーズ

2014.11.19Kawasaki : 

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先日、京都市美術館で開催されている「ボストン美術館~華麗なるジャポニズム展~」に行ってきました。
鎖国が解けた後、世界へその存在を知らしめて行った日本の絵画技術は、数多くの画家に鮮烈なまでの影響とインスピレーションを与え、当時「狂気」とまで言われるほどのブームが巻き起こりました。
今回の展示では、元となった日本画と影響を受けた作品を並べて比較展示しており、 配置や構図・テーマ自体と、 その痕跡をまざまざと感じられる面白い作品ばかり。
中でも目玉である、モネの『ラ・ジャポネーズ』は修復後、世界初公開。
モネは好きで展示があるとよく見に行くのですが、この作品は修復をしていたためか一度も見たことがなく、是非とも見たい一品でした。
40年前に一度修復したそうですが、その時には取りきれなかった古いニカワや絵の具に含まれたタンパク質を、赤外線で解析しながら最新の技術を用いて除去し、描かれた当時の色を再現したとのこと。
展示している部屋に一歩足を踏み入れた時には、初恋を思い出すような「あの子に会えた」というような甘酸っぱい感覚。
振り向きざまに流し目で微笑むカミーユに釘付けになりました。
金髪の彼女が羽織る打ち掛けは、 歌舞伎の一幕を模した刺繍がされており、今の季節にぴったりな紅葉の舞い散る燃えるような赤い繻子。
フランスのトリコロールカラーの扇子を艶やかに閃かせ、日仏の文化の壁を軽やかに飛び越えさせています。
全景、至近距離、遠くから、それぞれの魅力を目に焼き付けて展示室を後にしました。
日本で過ごしながら、当たり前で感じられる事のなかった日本独自の美に対する感性を、改めて外国文化の違う視点から見られるとても良い機会になりました。

No.19152